アルコールチェック義務化とは?対象者や企業がおこなうべきことなどを解説

アルコールチェック義務化とは?対象者や企業がおこなうべきことなどを解説

アルコールチェック義務化とは?対象者や企業がおこなうべきことなどを解説

Portrait of Yasuko Tanaka Lark's Author

田中 靖子

2024年4月9日火曜日

2024/04/09

2024/04/09

4 min read

2022年4月、道路交通法施行規則第9条の10(安全運転管理者の業務)が改正され、安全運転管理者による運転者のアルコールチェック義務化が必須となり、その記録を保存する必要性が出てきました。そこで本記事では、アルコールチェック義務化の概要や対象者、企業がおこなうべきことなどについて解説します。アルコールチェック義務化をおこなう際のポイントや運用を円滑にするためのツールについても解説するので、ぜひ参考にしてください。なお、国土交通省認定の業務後自動点呼認定機器である「Lark 自動点呼」に興味のある方はぜひ資料をご覧ください。まずは無料で使用感を確かめていただくこともできます。

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道路交通法(道交法)によるアルコールチェック義務化とは?

道路交通法(道交法)によるアルコールチェック義務化とは?

道路交通法(道交法)によるアルコールチェック義務化とは?

アルコールチェック義務化とは、2022年4月から施行された道路交通法施行規則第9条の10(安全運転管理者の業務)の改正に伴い、義務付けられるようになったアルコールチェックのことです。

まずは目視でアルコールチェックを行っていましたが、そのあと目視に加えてアルコール検知器によるチェックを行う必要性が出てきました。

アルコールチェック義務化が始まった理由

アルコールチェック義務化が始まった理由として、2021年6月に千葉県八街市で発生したトラック運転手の飲酒運転事故が挙げられます。トラックは児童5人をはねて、3人が重症を負い、2人が死亡することなってしまいました。このトラック運転手の飲酒運転事故は、社会で強く問題視され、アルコールチェック義務化の必要性が訴えられることになります。

2022年の改正ポイント

2022年4月1日から施行された法律では、対象となる事業者は運転前後の運転者の状態を目視などでチェックし、運転者がアルコールを摂取していないか確認する義務を負うと明記されています。

また、そのアルコールチェックを行った結果は、記録して1年間保存しなければいけません。

ただし、運転前後とは、必ずしも運転の直前または直後である必要はなく、出勤時や退勤時、業務の開始前や終了後でも問題ないことになっています。

また、目視での確認方法は、原則は対面ですが、対面が困難な場合はカメラやモニター、スマートフォンなどで顔色や吐いた息の臭い、声の調子などを見たうえで、運転手本人にアルコール検知器でチェック結果を報告させる方法も認められています。

2023年の改正ポイント

2023年12月1日からは、目視に加えてアルコール検知器を用いたチェックが義務付けられるようになります。

このアルコール検知器の義務化は、本来2022年10月に施行することが予定されていましたが、2022年9月に半導体不足が起きたため延期され、2023年12月1日に施行されることになりました。

アルコール検知器でのチェック結果についても、記録して1年間保存することが義務付けられています。なお、アルコール検知器については、正常に作動する状態のものを、常時持っておく必要があることも明記されています。


アルコールチェック義務化の対象者

続いて、アルコールチェック義務化の対象者について解説します。対象者については、2022年3月までと2022年4月からのふたつに分けることができます。

2022年3月まで:バスやトラック、タクシーなどの緑ナンバー事業者のみ

2022年3月までは、バスやトラック、タクシーなどの運送業や旅客運送業である「緑ナンバー」の自動車を保有する事業者のみが対象でした。

2022年4月から:白ナンバー車両を規定台数以上使用する事業者が追加

2022年4月から、自家用車や商用車としての利用されることが多い、普通または小型自動車および大型特殊自動車に付けられる白ナンバーの自動車を規定台数以上保有する事業者も対象になりました。

規定台数は以下の通りです。

  • 乗車定員が11人以上の自動車を1台以上

  • 白ナンバーの自動車を5台以上

なお、上記はそれぞれ1事業者当たりの台数で、オートバイは0.5台として換算します。この結果、該当する事業者は増加し、アルコールチェック義務化が推進されることになります。

アルコールチェック義務化により企業がおこなうべき6つのこと

続いて、アルコールチェック義務化により企業がおこなうべき6つのことを解説します。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 管理体制を構築する

  2. 安全運転管理者を選ぶ

  3. チェック内容を記録する

  4. チェック内容を1年間保管する

  5. 就業規則や社内規定を見直す

  6. 社員教育をおこなう

それぞれについて解説します。

1.管理体制を構築する

まず、アルコールチェック義務化を適切に運用するため、社内で管理体制を整える必要があります。

2.安全運転管理者を選ぶ

次に、「安全運転管理者」を選定します。安全運転管理者とは、運転手のアルコールチェックや運用計画の作成、安全運転の指導など、事業所全体の安全運転を守る立場にある責任者のことです。

安全運転管理者は、原則20歳以上で、運転管理経歴が2年以上ある従業員から選任することになっています。(副安全運転管理者が選任される事業所では30歳以上)

ほかにも、公安委員会によって、過去2年以内に安全運転管理者または副安全運転管理者を解任されていないことや、過去2年以内に以下の違反行為をしていないことが条件です。

  • ひき逃げ

  • 酒酔い

  • 運転酒気帯び運転

  • 無免許運転麻薬等運転酒酔い運転

  • または酒気帯び運転に関して、車両または酒類を提供する行為

  • 酒酔い運転または酒気帯び運転車両へ同乗する行為

  • 自動車使用制限命令違反

  • 妨害運転(あおり運転)

3.チェック内容を記録する

そして、実際にアルコールチェック内容を記録していきます。記録する内容は以下の通りです。

  • 運転手の名前

  • 確認者の名前

  • 運転手の業務にかかわる自動車の自動車登録番号または自動車を識別できる記号および番号

  • アルコールチェックをおこなった日時

  • 確認の方法(対面による確認ではない場合は、具体的な確認方法を記録する)

  • 酒気帯びの有無

  • 指示事項

  • その他必要な事項

記録の仕方については、指定のフォーマットや媒体はなく、自社で自由に作成することができるため、運用しやすい方法を選択するとよいでしょう。

4.チェック内容を1年間保管する

記録したチェック内容は、1年間保存する必要があります。保管方法は紙とデータのいずれでも問題ありません。

ただし、紙で管理する場合、紛失や改ざんのリスクが潜んでいることを把握しておきましょう。仮に公安委員会から記録簿の提出を求められた時、紛失や改ざんの事実が判明したら、安全運転管理者の解任や一定期間の車両使用停止などの行政処分を受ける可能性があります。

適切にチェック内容を保管するためには、ツールを活用し、データ管理するのが望ましいでしょう。

5.就業規則や社内規定を見直す

アルコールチェック義務化に従って、就業規則や社内規定を見直す必要性があります。

たとえば、アルコールチェックを行うタイミングについては、就業規則に明記するのが理想的です。また、アルコールチェックに引っかかった場合の懲戒規定について明記しておくと万が一の事態にも対応しやすいでしょう。

6.社員教育をおこなう

安全運転管理者がアルコールチェックを行うものの、運転手本人がアルコールチェック義務化の必要性を重く認識していなければいけません。社内研修を行ったり張り紙を貼ったりして、啓蒙しましょう。

アルコールチェックを行う時のポイント

続いて、アルコールチェックを行う時のポイントについて3つ解説します。アルコールチェックを運用するなかで、イレギュラーなことも起こりうるので、参考にしてください。

運転手が直行または直帰する場合

アルコールチェックは、運転する前と運転した後に実施するものです。しかし、時には運転手が自宅から直行したり、外回りが終わってそのまま直帰したりすることも大いに考えられるでしょう。その場合は、対面に準ずる方法によってアルコールチェックを実施すれば問題ないとされています。

たとえば、カメラやモニターによって、安全運転管理者が運転手の顔色や声の調子などを確認しつつ、運転手本人がアルコール検知器を使って結果を報告する方法が考えられます。

対面に準ずる方法では、対面時よりも運転手から得られる情報は少なくなりますが、より一層に映像や音声に意識を向けて、アルコールチェックを徹底的に運用および管理しましょう。

安全運転管理者が不在の場合

安全運転管理者が体調不良で休んだり出張で出かけたりしている場合、アルコールチェックはほかの担当者が実施しても問題ありません。

副安全運転管理者がいる場合は、その人が担当するのが理想的です。安全運転管理者がアルコールチェックを行う時と同じような手順を踏み、正確に記録していきましょう。

安全運転管理者が不在の場合に備えて、準備を怠らないでください。

運転手がアルコールチェックを拒否する場合

時には、運転手がアルコールチェックを拒否することもあるかもしれません。その場合は、その運転手に運転させることはできないため、毅然とした態度が必要です。

このような事態に備えて、アルコールチェックを拒否した従業員への措置については、あらかじめ就業規則や社内規定に明記しておくとよいでしょう。

アルコールチェック義務化を怠った時の罰則

アルコールチェック義務化を怠った時は、以下のような罰則が科せられます。

  • 選任義務違反

  • 解任命令違反

  • 是正措置命令違反

  • 選任解任届出義務違反


    それぞれについて詳しく解説します。

選任義務違反

選任義務違反とは、アルコールチェック義務化の対象事業所であるのにもかかわらず、安全運転管理者を選任しなかった時に適用される違反のことです。50万円以下の罰則が与えられます。

解任命令違反

解任命令違反とは、安全運転管理者の解任命令が出た後、適切な手続きを取らず、安全運転管理者の職務を続けた時に適用される違反のことです。

安全運転管理者になるためには一定の条件を満たす必要があるため、適切な人を選任するようにしましょう。もし、解任命令違反に該当すると、50万円以下の罰則が科されます。

是正措置命令違反

是正措置命令違反とは、公安委員会が是正措置命令を出したのにもかかわらず、その指示に従わなかった時に科される違反のことです。

アルコールチェック義務を怠った安全運転管理者や運転手には、公安委員会が是正措置命令を出しますが、その後も適切な対応を取らなかったときに違反となり、50万円以下の罰則が科されます。

選任解任届出義務違反

選任解任届出義務違反とは、安全運転管理者の選任や解任を適切に届け出なかった時に適用される違反のことです。5万円以下の罰則が科されることになります。

アルコールチェック義務化の運用に「Lark 自動点呼」を使おう

アルコールチェック義務化の遵守は必須です。しかし、毎日多くの運転手のアルコールチェックを記録および管理するのは、大変な労力が必要です。

そこで、スムーズにアルコールチェックを行えるように「Lark 自動点呼」を導入してみてはいかがでしょうか。

Lark 自動点呼とは、国土交通省認定の業務後自動点呼認定機器(JG24-009)のことです。点呼業務をスマートフォンでスムーズに実現し、自動点呼や遠隔点呼、ライドシェア点呼、対面点呼など、あらゆるニーズに応えます。

免許証や顔認証を確認したうえで、アルコール濃度チェックを行えます。その方法は実に簡単で、外部のアルコール濃度計検査装置をBluetoothでLark自動点呼と接続するのみ。

アルコール検査装置に息を吹き込むと正確にアルコールチェック義務を果たせることになります。ぜひLark 自動点呼の導入も検討してみてください。

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