トラック運転手やタクシー運転手など、さまざまな職種にて点呼は必須。
しかし、その点呼の実施方法や注意点、効率的に実施するためにはどうしたらよいかなど、悩む方もいるかもしれません。
そこで今回は、点呼の方法や種類、点呼をおこなわなったときの罰則などについて解説します。
効率的な点呼の実施に活用できる「Lark 自動点呼」についても紹介するため、ぜひ最後まで読んでみてください。
点呼とは、安全安心な運行のための要です。運行の安全を確保して事故を防止するため、点呼は法令で義務づけられています。
点呼を実施しないと、以下などが発生する可能性があります。
酒気帯び運転や危険ドラッグ使用運転
運転手の健康が起因となった交通事故
運転手とのコミュニケーションが希薄になって重要な情報が共有されない
点呼は、安心安全な運行に必要不可欠です。
実施者:運行管理者または運用管理補助者
点呼の実施者は、運行管理者または運行管理補助者です。
基本的には、運行管理者が点呼をおこないますが、月の3分の2までなら運行管理補助者が代わって実施することも認められています。
点呼の方法
続いて、点呼の方法について解説します。点呼にはさまざまな方法があり、主な方法は以下の通りです。
対面点呼
電話点呼
IT点呼
遠隔点呼
業務後自動点呼
それぞれについて詳しく紹介します。
対面点呼
対面点呼とは、運転者が営業所または車庫の定められた場所で運行管理者と直接対面して実施する点呼のこと。
やむを得ない事情は除きますが、原則的に対面点呼をおこなう必要があるとされています。
電話点呼
どうしても運転手が離れた場所にいる必要があり、営業所または車庫の定められた場所で運行管理者と対面で点呼ができない場合、電話を使って点呼をする方法もあります。
ただし、電話や業務無線など、運転手と運行管理者が直接会話できる方法に限って許されており、メールやFAXなど、一方的な連絡方法は認められていません。
IT点呼
IT点呼とは、同一の事業者内のGマーク営業所においてのみ認められる方法です。
Gマーク営業所とは、貨物自動車運送事業において、安全性の高い事業者であると認定を受けた営業所のこと。国土交通省による認定制度です。
同一の事業者内のGマーク営業所では、対面点呼に加えて、国土交通大臣が定めた機器を使用した点呼の実施が認められています。
カメラまたはモニターを使って、離れた場所にいる運転手とも、対面点呼のような安全対策をおこなえるため、効率的な方法だと言えるでしょう。
また、点呼記録が自動で作成されるのも大きなメリットです。
IT点呼が認められる事業所や時間帯には制限がありますが、Gマークを取得したら、積極的にIT点呼の導入を検討してみるとよいでしょう。
遠隔点呼
遠隔点呼とは、効率性向上を目的に実現した非対面式での点呼方法のことです。
遠隔点呼は、新型コロナウイルス感染症拡大を受けてつくられ、感染症予防の施策として対面でおこなわれている点呼の非対面化を進めるために設けられた施策だと言えます。
実施する場所や営業時間などの要件を満たすと、遠隔点呼が認められます。さらに、遠隔点呼の導入にあたっては、「新・点呼告示(旧・遠隔点呼実施要領)」で定められた機器・システム要件や、運用上の遵守事項を満たす必要があります。
業務後自動点呼
業務後自動点呼とは、2023年1月から開始された点呼方法です。
業務後自動点呼実施要領に定められた要件を満たす機器(ロボット)を使用して、営業所または営業所の車庫において業務終了後におこなう点呼のこと。
機器の要件は以下の通りです。
アルコール検知器による測定の様子と結果を画像で記録保存できる
運行状況といった運転手からの報告事項を電子的な方法で記録できる
運行管理者側からの伝達事項をそれぞれの運転手に伝えることができる
点呼の実施予定や結果を確認できる
要件を満たした機器で自動点呼するため、運行管理者が立ち会う必要性はありません。そのため、人件費を削減したり効率的に点呼をおこなえたりできます。
ただし、業務後自動点呼でアルコール検知といった異常を発見した場合、人間が対応する必要があるため、体制は整えておく必要があります。
完全にすべての点呼の自動化を図ると、運転手と運行管理者のコミュニケーションが減ったり、携行品のチェックができなかったりするため、ほかの点呼方法と組み合わせて実施している営業所もあります。
とはいえ、遠隔でも自動点呼できる、業務後自動点呼は有効な手段だと言えるでしょう。
運送業における点呼の種類
続いて、運送業における点呼の種類について解説します。点呼の種類は以下の3つ。
乗務前点呼
中間点呼
乗務後点呼
乗務前点呼
乗務前点呼とは、運転手が当日の業務をおこなうために乗車前におこなう点呼のこと。
原則的には、対面点呼をおこなう必要がありますが、たとえば長距離トラック運転手が営業所から遠く離れた場所にいる場合は他の点呼方法も認められています。
確認事項は、以下の通りです。
日常点検の実施状況
酒気帯びの有無
疾病・疲労・睡眠不足などの状況
携行品の有無
乗務前点呼の実施のタイミングは、乗車する5~10分前あたりが適しているでしょう。
なぜなら、たとえば乗車する30分以上前に実施すると、点呼実施から乗車開始までの間に運転者の健康状態が変わったり、場合によっては飲酒したりするというリスクも潜んでいるためです。
こういった乗務前点呼のタイミングについては、あらかじめ運行管理規定で定めておくことをおすすめします。
乗務後点呼
乗務後点呼とは、運行終了後に実施する点呼のこと。トラックやタクシーなどを車庫へ駐車した後、速やかに乗務後点呼をおこなう必要があります。基本的には乗車後5分以内におこなうのが理想的です。
確認事項は、酒気帯びの有無です。乗務後点呼のタイミングについても、あらかじめ運行管理規定で定めておくことをおすすめします。
中間点呼
中古点呼とは、2泊3日以上の運行をする場合に実施する点呼のことです。一般的に運転手は遠方にいるため、電話点呼やIT点呼、遠隔点呼などの非対面点呼方法を実施します。
中間点呼は、乗車中の少なくとも1回おこなう必要があるため、2泊3日以上運行する場合は、乗車前と乗車後だけおこなえばよいということではないため気を付けてください。
なお、1泊2日の運行の場合は、乗車前または乗車後のいずれかは点呼をおこなうことになるため、中間点呼は不要です。
確認事項は、以下の通りです。
酒気帯びの有無
疾病、疲労、睡眠不足などの状況
点呼をおこなわなかったときの罰則
点呼を適切におこなわなかったときは、さまざまな罰則が科せられます。
貨物自動車の場合、点呼の実施違反(点呼が必要な回数100回に対して)は以下の通り。
点呼未実施19件以下:初回違反で警告、再違反で10日車両停止
点呼未実施20件以上49件以下:初回違反10日車両停止、再違反20日車両停止
未実施50件以上:初回違反20日車両停止、再違反40日車両停止
全ての点呼を実施していない:30日間の営業所停止
また、違反点数は、営業所に対して加算され、運輸局単位で累計します。累積期間は原則として3年です。
この3年の期間内に違反点数が累積すると、事業の許可取消しや事業の停止、違反事業者名の公表など、厳しい処分が科せられます。
点呼記録について
点呼については記録を記載し、保管する必要があります。その記録内容は、それぞれの点呼種類によって異なるため、気を付けてください。
乗務前点呼
乗務前点呼で記録すべき内容は、以下の通りです。
点呼執行者名
運転者名
乗務する車両の登録番号
点呼日時
点呼方法(アルコール検知器使用の有無)
点呼方法(対面でない場合は具体的な方法)
酒気帯びの有無
疾病や疲労、睡眠不足などの状況
日常点検の状況
指示事項
そのほか必要な事項
乗務後点呼
乗務後点呼で記録すべき内容は、以下の通りです。
点呼執行者名
運転者名
乗務する車両の登録番号
点呼日時
点呼方法(アルコール検知器使用の有無)
点呼方法(対面でない場合は具体的方法)
自動車、道路および運行の状況
酒気帯びの有無
交替運転者に対する通告
そのほか必要な事項
中間点呼
中間点呼で記録すべき内容は、以下の通りです。
点呼執行者名
運転者名
乗務する車両の登録番号
点呼日時
点呼方法(アルコール検知器使用の有無)
点呼方法(対面でない場合は具体的方法)
酒気帯びの有無
疾病や疲労、睡眠不足などの状況
指示事項
そのほか必要な事項
記録内容については変更されることもあるため、常に最新の情報を得るようにしましょう。
保管期限は1年間
点呼記録の保管期限は1年間です。保存方法には決まりはなく、紙またはデータのいずれでも問題ありませんが、紛失やデータの改ざんなどの可能性も考慮すると、データ保存のほうが好ましいかもしれません。
点呼時に確認したい3つのこと
点呼にLark自動点呼を使おう
安心・安全に運行するためには、適切な点呼が必要不可欠です。
点呼方法は、対面点呼だけではなく、電話点呼やIT点呼、遠隔点呼、業務後自動点呼などもあるため、適切にルールを理解したうえで、効率的に記録できるツールを活用していきましょう。
たとえば、「Lark 自動点呼」は、国土交通省認定の業務後自動点呼認定機器(JG24-009)で、点呼業務をスマートフォンでスムーズに実現します。
自動点呼や遠隔点呼、ライドシェア点呼、対面点呼など、あらゆるニーズに応え、運転手および運行管理者の働き方の改善を図ります。
三和交通や山口第一交通、沖東交通グループなど、多くの企業が導入済みです。デジタル化で点呼にかかる負担を軽減し、運行管理者の労働時間も削減できるでしょう。
点呼の結果は自動で記録され、クラウドで一元管理。もう紙での入力は必要ありません。さらに、スマートフォンの顔認証サービスを通じて、本人確認をおこなうため、正確に記録できます。
そのほか自動点呼以外にも、メッセージやメールなどの機能もあるため、イレギュラーなことが起こったときもスムーズに対応できるでしょう。
少しでも「Lark 自動点呼」に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。